株式会社タイコーアーキテクト Idea Trium(イデア・トリウム)

1.理にかなう家イメージ

3つの価値[快適なのに省エネな暮らしをつくる(2)]パッシブデザインの考え方

パッシブデザインの手法

パッシブデザインとは「太陽の光の明るさと熱、そして風を、住まいの環境づくりにいかに効率的に取り入れるかという設計手法」と聞くと、なんだか新しい技術のように聞こえますが、実は科学的な解析に昔ながらの知恵を組み合わせた、ローテク感あふれる家づくりの方法なのです。ここでは、パッシブデザインの基本をご紹介します。

まず、光と風の通り道を考える

四方に何も無い原っぱに家を建てるのなら別ですが、ほとんどの建設予定地の周辺には、既存の建物があるはずです。これらにさえぎられないような光と風の通り道を想定し、敷地の中での建物の位置を決めます。特に住宅の密集地域ではここが最大のポイントとなります。周辺の建物の「将来の建て替え」を想定しておくことも忘れずに。

日照シミュレーションイメージ

間取りは平面ではなく立体的に考える

パッシブデザインを検討するときは、「平面」ではなく、「立体」で考えることが大切です。季節ごとに角度が変わる太陽の光は、室内へどのように届くか、夏の太陽の光をさえぎる「日射遮蔽」をどのように行うか、室内の空気をどのように循環させるか、あるいは給排気させるかなどは、すべて立体で考えることで見えてくるからです。

間取りは立体で考える

冬は日射しの熱を活かし、夏はさえぎる

冬の日射しは室内に取り込みたいもの、逆に夏の焼け付くような日射しはシャットアウトしたいですよね。
そのためには、夏と冬の太陽の日射角度を違いを利用して、軒や庇でさえぎるという方法があります。また、ルーバーやブラインド、障子を用いてさえぎる工夫も。植栽を利用したり、ゴーヤカーテンも、植物を楽しみながら涼しく暮らす工夫です。

日射遮蔽の工夫

風をつかまえる工夫

春秋の気候の良いシーズンや、夏の夜などは、外の風を室内に導きたいものです。夏の夜間に、昼間に溜まった熱を排出すること(ナイトパージと言います)で、翌日の冷房の効率も上がります。
そのためには、その地域の風の特性を押さえることが大切です。地域によく吹く風の向きを「卓越風向」といいますが、この卓越風向を基準に、風の入り口と出口を想定します。さらに、積極的に風を取り込むには「ウインドキャッチャー」という工夫をプラスします。具体的には、風を取り込みたいところに袖壁をもうけたり、縦滑り出し窓を設置したりします。

風をつかまえる工夫

だから一邸一邸異なる

パッシブデザインとは、太陽の光の明るさと熱、そして風を、住まいの環境づくりにいかに効率的に取り入れるかという家づくりです。ただし、決まったパターンというものは残念ながらありません。敷地ごとに特性を洗い出し、そこに建つべき家を都度プランニングします。
パッシブデザインは、カタログから選ぶ企画型住宅では実現することができない、「オートクチュール」の家づくりなのです。

パッシブデザインはオートクチュール

3つの価値