株式会社タイコーアーキテクト Idea Trium(イデア・トリウム)

1.理にかなう家イメージ

3つの価値[快適なのに省エネな暮らしをつくる(1)]自然の力を利用する

キーワードは「パッシブデザイン」

「パッシブ」とは、「アクティブ(能動的)」の対義語で、受動的という意味です。パッシブデザインとは、エアコンなどのアクティブな機械を使わず、太陽の光、熱、そして風といった「自然エネルギー」をそのまま受動的に利用して、快適な住まいづくりをしようとする設計の考え方です。 ここでは、パッシブデザインの具体的な手法について紹介します。

太陽の光と熱を取り込む/さえぎる

太陽から降り注ぐ光を、仮に電力に換算すれば1㎡あたり1000wのエネルギーを得ていると言われます。このエネルギーを有効に使わなければもったいないですよね。
太陽光のコントロールとは、日射を取り込む/さえぎるの使い分けです。たとえば、冬の晴れた日の窓際は暖かくて気持ちが良いものです。蓄熱することで、暖房として利用することもできます。一方、夏の照りつける日射はさえぎりたいものです。これを建物が自然に行うように、太陽の角度を計算して庇(ひさし)を設置したり、太陽光を取り込むために、開口部や天窓を設けたりします。このような工夫により、お客さまの家の東西南北それぞれの「顔」も、さまざまになります。
逆に軒やひさしの無い箱のような家は、シンプルでお洒落ですが、日射しをまともに受けることになります。

太陽の熱を取り込む/遮る

風を呼び込む

パッシブデザインのもうひとつのコントロール対象が「風」です。気温の高い時期には、室内に風の流れを作ることで体表面の温度を下げ、涼しく感じることができます。その効果は、秒速1mの微風でも1度を下げる効果があるといわれます。また、熱を持った空気を排出する工夫をすることで、室温も下がります。
風の流れを作るためには、家の中の空気の流れをシミュレーションして窓を効果的に配置することと、建物周囲を通る風を「ウィンドキャッチャー」などで捕らえて室内に導入する工夫を行います。なお、それぞれの土地には固有の風向があり、データ化されています。これを「卓越風」と呼び、住宅の設計にあたってはこの卓越風の風向をもとに、建物内部の風の通り道を考えることが大切です。

風を呼び込む

「蓄熱」も考えてみる

蓄熱とは、その名のとおり熱を蓄えることです。冬の陽射しを上手に取り込むことで床や壁に蓄え、夕方以降に放熱されることで部屋を暖めてくれます。断熱気密性能を高めた家では、日中は室温が20℃以上になりますから、この熱をみすみす捨てるのはもったいないという、パッシブデザインの真骨頂とも言えるものです。
蓄熱性能は、木材よりも水やコンクリート、土などの方が優れていますから、南からの太陽光が土間やレンガ壁に射し込むような設計にすることで、その効果をより期待することができます。

蓄熱イメージ

パッシブデザインのしくみ

SE構法はパッシブデザインと相性バツグン

上で述べたように、パッシブデザインとは太陽の光や風を大きく開けた窓から室内に取り込み、家全体にいき渡らせることです。そのためには、大きな開口部を設けることができること、また、光や風の流れを妨げる壁が極力少ない、全体がつながった大空間であることがポイントです。 このような理想に対し、タイコーが採用しているSE構法はピッタリなのです。ラーメン構造と呼ばれる、壁でなくフレームで建物を支える構造は、自由に窓を設けることができ、また壁の無い、一室大空間にすることが可能だからです。

大きな開口部イメージ

パッシブデザインのシミュレーション

日照と通風(卓越風)のイメージ

夏至/冬至それぞれの日照シミュレーション(屋外)

夏至/冬至それぞれの日照シミュレーション(屋外)

パッシブデザインが切り拓く、省エネへの道筋

パッシブデザインは、自然の光や風を上手に活用するため、電気やガスなどへの依存率が減少し、省エネでありながら快適で健康的な暮らしを実現することができます。今後、エネルギー料金の価格上昇が予想される中で、省エネルギーは、家計において大きなメリットがあります。また、地球的課題でもある化石燃料の消費の抑止につながることにもなります。

スマートハウスとパッシブデザイン

「省エネ住宅」と聞くと、「スマートハウス」という言葉を連想される方も多いのではないでしょうか? 
スマートハウスとは、主に太陽光発電などのエネルギーをつくり出す設備や蓄電池と、エネルギー管理システムとを組み合わせて、「エネルギーは使う分だけつくる」という発想です。最新技術の結集と言えるライフスタイルです。これに対して、パッシブデザインとは「そもそもエネルギーをできるだけ使わない」、どちらかというと昔ながらのローテクなライフスタイルと言えます。
それぞれは決して相反するものではありませんが、太陽の光や風を明かりや温熱環境に使う分、自然な心地よさの点でパッシブデザインに優先して取り組みたいと、タイコーは考えています。

パッシブハウスの概念

何を削減するのが効率的か?

暮らしで使うエネルギーの3分の1は家電や照明のためのもの、また、暖房と給湯が4分の1ずつを占めます。
このことから、以下の3つに重点的に取り組むことで、消費エネルギーを少なくすることができると考えます。
1)太陽の光を照明や暖房の代わりになるように活用すること
2)給湯に太陽熱を利用する
3)家電・照明を省エネタイプにする
逆に、冷房に使うエネルギーはさほど多くありません。猛暑の中でエアコンをガマンして健康を損なうことはくれぐれも避けてくださいね。

住宅の消費エネルギー比率
自然エネルギーを使うイメージ

カーボンニュートラルな暮らしへ

カーボンとは二酸化炭素のこと、ニュートラルとはプラスマイナスゼロの意味。できるだけ化石エネルギー(石油やガス)を使わず、二酸化炭素を排出しない暮らしが、地球全体で求められています。EU諸国などでは2020年に法制化により、カーボンニュートラルな家しか建てられなくなる予定です。
一方、日本での法制化は、監督官庁と業界団体との馴れ合いから先延ばしにされていますが、カーボンニュートラルな暮らしへ向かうことは世界全体の流れであり、地球環境を持続可能にすることに必要であると考えてください。
カーボンニュートラルな家づくりは、右図のように
1)まず、断熱性能をあげて使うエネルギーを減らす
2)それでも必要なエネルギーを、クリーンエネルギーでまかなう
のような順を踏むことが大切です。

カーボンニュートラルな暮らしへ

3つの価値